アニメ『対ありでした。』に登場する実在の格ゲーは『ストリートファイター6』で、綾はキャミィ、美緒はリュウ、夕はケン、珠樹はジュリを使用します。
原作で中心となる架空ゲーム『Iron Senpai4(π4)』が完全に消えたと断定はできませんが、アニメではカプコン協力のもと、実際の『スト6』対戦画面を使って少女たちの熱戦が描かれます。
アニメ『対ありでした』で登場する格ゲーはスト6
TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』で、深月綾たちがプレイする実在ゲームとして登場するのは、カプコンの対戦格闘ゲーム『ストリートファイター6』、通称『スト6』です。
2025年5月に公開されたティザーPV第1弾では、カプコンの協力によって収録された実際のゲーム画面が使用されました。
映像にはリュウ、春麗、ガイル、キャミィなどの対戦が登場し、お嬢さまたちがアーケードコントローラーを激しく操作する姿と組み合わされています。
アニメ公式サイトでも、収録協力としてeスポーツチームのFAV gamingがクレジットされています。アニメーション制作はディオメディア、監督は井畑翔太、シリーズ構成は渡航です。TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』公式サイト
さらに2025年9月22日、アニメのメインキャラクター4人が『スト6』で使用するキャラクターも正式発表されました。
『対ありでした。』の人物 声優 『スト6』の使用キャラ キャラ選択から読み取れる方向性
深月綾 長谷川育美 キャミィ 機動力を生かして好機へ踏み込む
夜絵美緒 市ノ瀬加那 リュウ 基本技と判断力で正面から戦う
犬井夕 千本木彩花 ケン 前進力で試合や場の流れを動かす
一ノ瀬珠樹 下地紫野 ジュリ 受け身を越えて自分から仕掛ける
この組み合わせはアニメ公式サイトのNEWS「ストリートファイター6×対ありでした。コラボビジュアル公開!」で発表された公式情報です。
主人公の深月綾はキャミィ、もう一人の主人公・夜絵美緒はリュウ、犬井夕はケン、一ノ瀬珠樹はジュリをプレイすると明記されています。全員集合版とキャラクター単体版のコラボビジュアルも公開されました。TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』公式サイト
ただし、なぜ4人がそのキャラクターを選んだのかまでは公式に説明されていません。
したがって、ここから扱う「人物像と使用キャラの共通点」は、公式発表、原作で描かれた性格や対戦傾向、『スト6』における各キャラクターの基本設計を重ねた筆者の考察です。
この線引きはかなり大事です。
格ゲーのキャラクター選択は、見た目の好み、技の操作感、対戦相性、憧れの選手など、複数の理由で決まります。「性格が似ているから公式が選んだ」と断定するのではなく、物語上どんな意味を持ち得るかを読み解いていきます。
原作の格ゲー『π4』とアニメの『スト6』は何が違う?
原作漫画で物語の中心となる格ゲーは、架空の2D対戦格闘ゲーム『Iron Senpai』シリーズです。
深月綾が小学生時代に熱中していた作品は『Iron Senpai2』、通称「π2」。物語開始時点ではシリーズ作品の『Iron Senpai4』、通称「π4」が主にプレイされています。
そのため、原作について「最初からスト6を遊ぶ漫画」と説明するのは正確ではありません。
一方、アニメでは『スト6』との作中コラボが実現し、実際の対戦画面が使用されています。
2025年に公開されたティザーPVでは、カプコンの協力によるゲーム映像が登場しました。2025年9月には、綾たち4人とキャミィ、リュウ、ケン、ジュリを組み合わせたコラボビジュアルも公開されています。アニメハック+1
現時点の公式発表から確認できるのは、アニメ作中に『スト6』が登場することです。
「原作のπ4が設定上も完全に消滅し、すべてスト6へ置き換えられた」とまでは公表されていません。原作とアニメの違いを説明する際は、ここを混同しないようにしましょう。
筆者としては、架空ゲームから実在ゲームへの接続は、本作の魅力を削る変更ではなく、格ゲー描写の解像度を上げる試みだと感じます。
架空のゲームなら、必殺技、キャラクター性能、勝敗の流れを物語に合わせて自由に設計できます。
しかし実在する『スト6』を使う場合、視聴者は画面を見ただけで「今はどちらが画面端を背負っているか」「ドライブゲージに余裕があるか」「飛び道具にどう対応したか」といった状況を読み取れます。
つまり、対戦画面そのものが説明台詞の代わりになるのです。
キャラクターが「追い詰められている」と口にしなくても、画面端、残り体力、ゲージ状況、入力の迷いが感情を語る。
この演出、ゲーム画面に心拍計を載せるようなものです。格ゲーを知る人には技術的な攻防として、知らない人には少女たちの表情や手の動きとして、同じ緊張が届く設計になっています。
『対ありでした』の使用キャラ一覧と対戦スタイル
4人の使用キャラは、綾がキャミィ、美緒がリュウ、夕がケン、珠樹がジュリです。
ここでは人物ごとに、「公式事実」「原作での特徴」「筆者の見立て」を分けて整理します。
深月綾の使用キャラはキャミィ
公式発表では、深月綾が使用する『スト6』キャラクターはキャミィです。
綾は、お嬢さまに憧れて黒美女子学院へ入学した一般家庭出身の少女です。
公式キャラクター紹介では、小学生の頃から格ゲーに親しみ、一度離れた時期がありながらも、手にはアーケードコントローラーを使い込んだ「アケコンだこ」が残っている人物として説明されています。TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』公式サイト
綾は学院内で庶民的な自分を隠し、周囲へ合わせようとしています。
ところが、憧れの「白百合さま」こと夜絵美緒が、誰もいない教室で格ゲーをプレイしている場面を目撃。封印していた勝負への情熱を、美緒によって再び引きずり出されます。
キャミィは、高い機動力と素早い接近手段を生かし、相手の懐へ入り込むことを得意とするキャラクターです。
細かな技性能はアップデートで変化する可能性がありますが、「機動力を生かして距離を詰め、近距離で主導権を握る」という設計はキャミィの大きな特徴です。
筆者は、綾とキャミィの共通点を、単純な「素早い者同士」だとは考えていません。
綾は普段、周囲から浮かないよう慎重に振る舞っています。それでも対戦が始まれば、相手の癖を観察し、好機を見つけた瞬間に鋭く踏み込む。
この切り替えが、キャミィの接近速度とよく重なります。
そしてもう一つ重要なのが、キャミィの「前へ出る動き」です。
綾にとって格ゲーへ戻ることは、単なる趣味の再開ではありません。隠してきた過去の自分を否定せず、もう一度好きなものへ近づく選択です。
キャミィは、現在の綾の強みだけでなく、好きなものへ再び踏み出す勇気まで映すキャラクターなのではないでしょうか。
夜絵美緒の使用キャラはリュウ
公式発表では、夜絵美緒が使用する『スト6』キャラクターはリュウです。
美緒は美しい容姿と振る舞いから、黒美女子学院で「白百合さま」と呼ばれる存在です。
ところが、その正体は校則違反の危険を冒してまで格ゲーへ打ち込み、強い相手との勝負を求める生粋の格闘ゲーマー。
お嬢さまらしい静かな外見と、対戦になると勝利へ突っ込んでいく内面の落差が、本作の火薬庫です。
リュウは『ストリートファイター』シリーズを象徴するキャラクターで、飛び道具、対空、通常技による地上戦など、対戦格闘ゲームの基本的な選択肢を備えています。
ただし、「技が一通りそろっている=簡単に勝てる」という意味ではありません。
相手が歩くのか、飛ぶのか、技を置くのか。どの距離で何を選ぶかというプレイヤーの判断が、そのまま試合へ出やすいキャラクターです。
美緒が求めているのは、弱い相手を一方的に倒すことではなく、自分を熱くさせる強敵との勝負です。
そのため筆者は、リュウという選択を勝負から逃げず、正面から相手の選択を受け止める姿勢の表現だと考えます。
美緒には、勝ちたい気持ちが強すぎるからこそ、前のめりになって判断を乱す危うさもあります。
リュウは、その衝動を地上戦、対空、間合い管理といった基礎へ変換する器です。
ただ戦いたいという炎を、技術というかまどへ入れる。
美緒とリュウの組み合わせは、彼女がすでに完成されたプレイヤーだからではなく、荒々しい勝負欲を確かな強さへ育てていく過程に似合っています。

犬井夕の使用キャラはケン
公式発表では、犬井夕が使用する『スト6』キャラクターはケンです。
夕は黒美女子学院の高等部寮務委員で、寮生を指導する立場にあります。
綾と美緒が隠れて対戦しようとしている場面を見つけますが、夕自身も格ゲー経験者。家庭やゲームセンターなど、人と一緒に遊ぶ文化の中で格ゲーへ触れてきた人物です。
夕は、綾や美緒ほど格ゲーへの執着を前面に出しません。
それでも対戦へ入れば勝負を楽しみ、張り詰めた状況でも比較的いつもの感覚を保てる。格ゲーを秘密や孤独な修行としてではなく、人とつながる遊びとして知っているのが夕の強みです。
ケンはリュウと共通する技を持ちながら、より前進力を生かし、攻めの流れを継続する方向へ個性づけられたキャラクターです。
細かなコンボや運び性能は調整で変わり得ますが、自分から距離を詰め、試合のテンポを変えていく設計は、リュウとの分かりやすい違いです。
筆者が夕とケンに感じる共通点は、派手さや明るさよりも、停滞している空気を動かす力です。
夕は規則を守らせる側でありながら、ゲームへ夢中になる気持ちも分かっています。
綾と美緒の熱がぶつかりすぎたとき、どちらか一方を否定するのではなく、少し違う角度から二人の関係へ入れる人物です。
対戦でも人間関係でも、硬直した状況を前へ押し出す。
ケンの前進力は、夕の攻撃性ではなく、仲間と試合の流れを止めない推進力に見えます。
ゲーム内コラボで夕に割り当てられた称号は「緊張に強いタイプ」です。
この短い言葉も、対戦経験を持ち、知らない相手や張り詰めた場面でも普段の動きを失いにくい夕の人物像と自然につながっています。TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』公式サイト
一ノ瀬珠樹の使用キャラはジュリ
公式発表では、一ノ瀬珠樹が使用する『スト6』キャラクターはジュリです。
珠樹は高等部寮務委員の4階階長で、学院の規律を重視する厳格な人物です。
しかし自室にはゲーム環境を隠し持っており、本人も『π4』をプレイしている隠れゲーマーでした。
珠樹の課題は、知識がないことではありません。
ネット対戦で負けた経験から、自分で技を出すことを恐れ、相手が動くのを待ちすぎるようになっています。反撃される可能性を避け続けた結果、慎重さが消極性へ変わってしまったのです。
ジュリは独特な通常技や必殺技を使い、相手を揺さぶりながら攻めを組み立てるキャラクターです。
『スト6』では風破ストックを準備し、それを使って必殺技や連係を拡張する要素を持っています。
ただ相手の行動を待つだけではなく、状況を整え、自分から圧力をかけることで持ち味が出るキャラクターです。
珠樹とジュリは、現在のプレイスタイルが似ているわけではありません。
むしろ正反対に近いでしょう。
失敗を恐れて動けない珠樹に対し、ジュリは自分から相手へ触りに行き、揺さぶり、試合のリズムを奪う姿勢を求めます。
つまりジュリは、珠樹がすでに持っている長所ではなく、これから獲得しなければならない能動性を示しているのではないでしょうか。
ゲーム内コラボで珠樹に割り当てられた称号は「相手より1回でも多くパナす」です。
「パナす」は格ゲー界隈で、無敵技などリスクを伴う技を思い切って出す行動を指す俗語として使われます。
もちろん、無計画に大技を出せば反撃を受けます。
それでも珠樹の場合は、正解が分かるまで何も押せない状態から、失敗を引き受けて自分の意思で技を出す状態へ移ることに意味があります。
この称号、勢いだけなら完全にインターネット格ゲー部のノリです。
しかし人物分析として見ると、「安全に負けるくらいなら、リスクを取って一度でも多く意思表示をする」という珠樹の成長課題を、かなり正確に切り取っています。
4人の使用キャラは何を表している?
4人の違いは、次の表にまとめると見えやすくなります。
人物 使用キャラ 原作での特徴 筆者が考えるキャラ選択の意味
深月綾 キャミィ 経験者だが格ゲーへの情熱を隠している 過去の自分へ戻るための一歩
夜絵美緒 リュウ 強敵との正面勝負を求める 衝動を基礎と判断力へ変える器
犬井夕 ケン 人との遊びとして格ゲーを知っている 試合と仲間の空気を動かす力
一ノ瀬珠樹 ジュリ 負けを恐れ、受け身になっている 自分から仕掛ける勇気の獲得
ここで面白いのは、使用キャラが単なる性格診断になっていない点です。
「素早い綾だからキャミィ」「熱い夕だからケン」といった表面的な対応だけでは、本作のキャラクター選択を十分に説明できません。
綾のキャミィは、隠してきた自分へ近づくための速さ。
美緒のリュウは、戦いたい衝動を技術へ変えるための基礎。
夕のケンは、人や試合の流れを前へ動かす推進力。
珠樹のジュリは、失敗を恐れず自分から触りに行くための刺激です。
つまり4人の使用キャラは、現在の性格を映すだけでなく、これからどんなプレイヤーになりたいのかを先取りしているように見えます。
格ゲーでキャラクターを選ぶ行為は、自分と似た存在を選ぶことだけではありません。
自分に足りない強さ、自分が憧れる戦い方、自分が試合中だけなれる人格を選ぶこともあります。
現実では慎重な人が、ゲームでは強引なラッシュを好むこともある。
普段は感情を表に出さない人が、対戦中だけは大胆な読み合いへ飛び込むこともある。
『対ありでした。』の4人も、操作キャラという仮面をかぶることで、日常では抑えている感情を画面の中へ解放しているのではないでしょうか。

FAV gamingの収録協力はなぜ重要?
アニメ『対ありでした。』では、FAV gamingがゲーム映像の収録へ協力しています。
アニメ公式サイトのスタッフ欄にも「収録協力 FAV gaming」と記載されています。TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』公式サイト
また、アニメ公式Xでは、FAV gaming所属のプロ格闘ゲーマーであるsako選手と藤村選手を招き、アニメ内で使用するゲーム映像を収録したことが発信されました。X (formerly Twitter)
これは、単に有名選手の名前を宣伝へ使ったという話ではありません。
格ゲーの試合には、技が当たったかどうかだけでは説明できない文脈があります。
- 相手の飛び込みを警戒して動きを止めている
- ドライブゲージを温存するため、攻めを控えている
- 画面端から抜けるため、投げと打撃の両方を警戒している
- あえて何もせず、相手が焦って技を出すのを待っている
この「何も起きていない数秒」に、格ゲーの読み合いは詰まっています。
ゲームを詳しく知らない制作側だけで対戦を組み立てると、派手な技は連続していても、経験者には「なぜ今その行動を選んだのか分からない試合」に見える可能性があります。
プロ選手が収録へ関わることで、技の選択、間合い、ゲージ使用、勝負を決める判断に、実戦らしい理由を持たせやすくなります。
筆者が特に期待しているのは、キャラクターの感情とゲーム内の判断が一致する瞬間です。
珠樹が迷ってボタンを押せないなら、操作キャラクターも不自然に後退する。
美緒が勝負を急ぐなら、必要以上に前へ出て反撃を受ける。
綾が相手の癖を見抜いたなら、それまで通らなかった接近が一度だけ鮮やかに通る。
こうした描写が成立すれば、『スト6』は背景に映る商品ではなく、人物の心情を演技するもう一人のキャストになります。
スト6のゲーム内コラボは使用キャラ理解の補足になる
『ストリートファイター6』と『対ありでした。』は、アニメ作中だけでなく、実際のゲーム内でもコラボを実施しています。
アニメ公式サイトの2026年5月30日付NEWSでは、限定称号6種類を『スト6』ゲーム内NEWSで配布すると発表されました。
配布予定期間は2026年6月2日から7月14日までです。期間や受け取り方法が変更される可能性もあるため、最新状況はゲーム内NEWSで確認してください。TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』公式サイト+1
限定称号は次の6種類です。
- 「対ありでした。」
- 深月綾:「勝つ気あります?」
- 夜絵美緒:「なぜなら美少女だから!!!」
- 犬井夕:「緊張に強いタイプ」
- 一ノ瀬珠樹:「相手より1回でも多くパナす」
- 藤宮亜里沙:「殴り合いは画面の中で」
また、バトルハブ内の巨大スクリーンでは、2026年6月2日から6月30日までの予定でティザーPV第1弾が放映されました。
ゲーム内コラボは本記事の主題ではありませんが、称号は4人のプレイヤー像を短い言葉で補足する資料として興味深いものです。
とくに「勝つ気あります?」「緊張に強いタイプ」「相手より1回でも多くパナす」は、綾の厳しさ、夕の安定感、珠樹が越えるべき消極性を、それぞれ一言で表しています。
一方、美緒の「なぜなら美少女だから!!!」は、学院で憧れられる優雅な姿と、対戦中の勢いが衝突した本作らしい称号です。
外見は白百合、中身は勝負を前にアクセルが床を突き抜けている。
この落差こそ、美緒というキャラクターが視聴者を格ゲー沼へ投げ込む最大の引力でしょう。
使用キャラから考える今後の注目点
ここからは筆者の私見です。
アニメで注目したいのは、4人が「どのキャラクターを使うか」だけでなく、そのキャラクターでどんな負け方をするかです。
格ゲーでは、勝った試合より負けた試合のほうが、プレイヤーの性格を露骨に映すことがあります。
攻め急いで負けたのか。
安全な行動ばかり選んで時間を失ったのか。
同じ技を何度も受けたのか。
反撃されると分かっていても、最後に自分の読みを通そうとしたのか。
負け方には、その人物が何を恐れ、何を信じたかが出ます。
綾がキャミィで接近を止められたとき、距離を置いて相手を観察し直せるのか。
美緒がリュウで正面勝負に敗れたとき、基本へ戻れるのか、それとも感情のまま無理に前へ出るのか。
夕がケンで攻めを止められたとき、経験を生かして試合のテンポを組み直せるのか。
珠樹がジュリで反撃を受けたあと、再び自分から技を出せるのか。
こうした選択が描かれたとき、キャラクター選択の意味はコラボビジュアルから物語へ変わります。
もう一つ注目したいのは、負けたあとも同じキャラクターを使い続けるかどうかです。
格ゲーでのキャラクター変更は、苦手な相手への戦術的対応にもなります。
同時に、自分の弱点から逃げる選択や、新しい戦い方へ踏み出す決断にもなり得ます。
珠樹がジュリで負けたとき、別キャラへ変更するのか。
それとも、失敗を受け入れてもう一度ジュリを選ぶのか。
美緒がリュウで勝てない強敵と出会ったとき、基本を磨き直すのか、勝ちたい衝動から別のキャラクターへ手を伸ばすのか。
その選択には、技術だけでなく人物の成長が表れます。
筆者は、『対ありでした。』が格ゲーを青春物語の飾りとして扱っていない点を評価しています。
ボタンを押す。
攻撃をガードする。
投げを警戒する。
大技を出して反撃される。
負けたあと、もう一度対戦を申し込む。
格ゲーでは日常的な行動ですが、本作では一つひとつが、自分の失敗を受け入れることや、相手へもう一度向き合うことにつながっています。
画面の中では相手の体力を減らしているのに、対戦を重ねるほど二人の距離は縮まっていく。
この逆方向の変化こそ、『対ありでした。』が格ゲーを題材にする意味だと考えます。
まとめ|アニメ『対ありでした』の格ゲーと使用キャラ
アニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』には、カプコンの対戦格闘ゲーム『ストリートファイター6』が登場します。
2025年9月22日に公式発表された4人の使用キャラは、次の組み合わせです。
- 深月綾:キャミィ
- 夜絵美緒:リュウ
- 犬井夕:ケン
- 一ノ瀬珠樹:ジュリ
使用キャラの組み合わせは公式情報ですが、選定理由は明言されていません。
原作で描かれた性格や対戦傾向と重ねると、綾のキャミィには再び前へ踏み出す速さ、美緒のリュウには衝動を基礎へ変える力、夕のケンには場を動かす推進力、珠樹のジュリには受け身を越える攻撃性が読み取れます。
原作で中心となる格ゲーは、架空作品『Iron Senpai4(π4)』です。
アニメではカプコンの協力により実際の『スト6』対戦画面が使われ、FAV gamingも収録へ協力しています。ただし、原作のπ4が設定上も完全にスト6へ置き換えられたとまでは公式発表されていません。
『対ありでした。』を見る際は、勝敗だけでなく、どのキャラクターを選び、どの距離で迷い、負けたあとにもう一度どのボタンを押したのかにも注目してみてください。
キャラ選択は現在の性格を映すプロフィールであり、同時に、これからなりたい自分を映す鏡でもあります。
よくある質問
アニメ『対ありでした』で使われる格ゲーは何ですか?
カプコンの対戦格闘ゲーム『ストリートファイター6』です。カプコン協力のもと、実際のゲーム対戦画面がアニメ映像へ使用されています。
深月綾たち4人の使用キャラは誰ですか?
深月綾はキャミィ、夜絵美緒はリュウ、犬井夕はケン、一ノ瀬珠樹はジュリです。2025年9月22日にアニメ公式サイトで発表されました。
原作漫画でもスト6をプレイしていますか?
原作で中心となるのは、架空の格闘ゲーム『Iron Senpai4(π4)』です。アニメでは実在する『スト6』との作中コラボが行われています。
参考にした公式情報
- TVアニメ『対ありでした。~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』公式サイト「INTRODUCTION・CHARACTER・STAFF&CAST」
- アニメ公式NEWS「ストリートファイター6×対ありでした。コラボビジュアル公開!」(2025年9月22日)
- アニメ公式NEWS「STREET FIGHTER 6×対ありでした。ゲームコラボが決定!」(2026年5月30日)
- TVアニメ『対ありでした。』公式X「FAV gamingのsako選手、藤村選手によるゲーム映像収録」
- 『対ありでした。』ティザーPV第1弾
※『ストリートファイター6』のキャラクター性能やゲーム内施策は、アップデートや運営上の都合で変更される場合があります。本記事のゲーム性能に関する説明は、2026年7月10日時点で確認できる基本的なキャラクター設計を中心に記載しています。
神原 誠一(アニメ評論家/『アニメ反射鏡』運営)



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