『鬼の花嫁』の確認済みキャストは全13人で、そのうち6人がアニメ『鬼滅の刃』シリーズにも出演しています。
東雲柚子役は早見沙織さん、鬼龍院玲夜役は梅原裕一郎さん。本記事では2026年9月12日時点の声優一覧に加え、役柄、演技の注目点、代表作を整理します。
『鬼の花嫁』の声優は全13人|キャストと制作スタッフを一覧で確認
2026年9月12日時点で確認できる『鬼の花嫁』の主要・追加キャストは全13人です。
人数の算出根拠は、TVアニメ公式サイトの「CAST」欄に掲載された11人と、作品情報および第10話までの放送内容で確認できる玲夜の両親役2人です。
- アニメ公式サイト掲載キャスト:11人
- 追加で確認できる玲夜の両親役:2人
- 合計:13人
声優名だけでなく、キャラクターの読み方や立場も含めて一覧にしました。
キャラクター 読み方 担当声優 役柄・立場
東雲柚子 しののめ ゆず 早見沙織 主人公・玲夜の花嫁
鬼龍院玲夜 きりゅういん れいや 梅原裕一郎 鬼龍院家の次期当主
東雲花梨 しののめ かりん 石見舞菜香 柚子の妹・瑶太の花嫁
狐月瑶太 こげつ ようた 逢坂良太 妖狐の一族・花梨を花嫁とするあやかし
透子 とうこ 千本木彩花 柚子の幼なじみ
猫田東吉 ねこた とうきち 花江夏樹 猫又のあやかし・透子の幼なじみ
荒鬼高道 あらき たかみち 坂泰斗 幼少期から玲夜に仕える秘書
鬼山桜河 きやま おうが 島﨑信長 鬼山家の次期当主・会社の副社長
鬼山桜子 きやま さくらこ 遠藤綾 玲夜の婚約者に選ばれていた女性
ソウ そう 寺澤百花 玲夜が生み出した使役獣
アオ あお 小橋美憂 玲夜が生み出した使役獣
鬼龍院千夜 きりゅういん せんや 石田彰 玲夜の父・鬼龍院家の現当主
鬼龍院沙良 きりゅういん さら 福圓美里 玲夜の母
鬼山桜河役は、一部媒体で「島崎信長」と表記される場合があります。アニメ公式サイトでは旧字体を使った島﨑信長と掲載されていますが、どちらも同じ声優を指します。
制作スタッフの主要情報も、声の演出を理解するうえで重要です。
担当 スタッフ・会社
監督 大宮一仁
シリーズ構成 鎌倉由実
音響監督 若林和弘
音響制作 楽音舎
音楽 横山克
アニメーション制作 Colored Pencil Animation Japan
TVアニメ『鬼の花嫁』は、2026年7月4日24時30分からTOKYO MX、BS11、群馬テレビ、とちぎテレビで放送を開始しました。CBCテレビ、読売テレビ、福岡放送などを含む全国12局でも順次放送されています。
原作はクレハさんによる小説で、2020年からスターツ出版文庫より刊行。富樫じゅんさんが作画を担当するコミカライズは、2021年から電子雑誌「noicomi」で連載されています。
スターツ出版が2026年7月7日に発表した情報によると、小説、紙コミックス、電子コミックを合算したシリーズ累計発行部数は750万部を突破しました。同年7月10日には紙コミックス第10巻と公式ファンブックも発売されています。
数字だけ見ても注目度の高さが分かりますが、アニメ版の強みは人気声優を並べただけではない点にあります。柚子と玲夜、花梨と瑶太、透子と東吉という三組へ、それぞれ異なる「愛情の温度」を持つ声が配置されています。
早見沙織と梅原裕一郎は誰役?主人公二人の演技を解説
東雲柚子を早見沙織さん、鬼龍院玲夜を梅原裕一郎さんが担当しています。
二人の演技で注目したいのは、大声で感情を説明する場面より、返事までの間、語尾の揺れ、相手によって変化する声の温度です。
東雲柚子役・早見沙織
東雲柚子は、妖狐の花嫁となった妹・花梨と比較され、両親から冷遇されてきた女子高校生です。
傷つけられても優しさを失わない一方、自分の感情や希望を口にすることが苦手です。弱いというより、耐えることで家庭の中を生き延びてきた少女といえるでしょう。
2026年7月13日公開のアニメイトタイムズ「『鬼の花嫁』連載インタビュー第2回」で、早見さんは、表面的な普通らしさを作るのではなく、柚子がどのような人生を送ってきたかを意識して演じたという趣旨を述べています。
また、玲夜と出会う前の柚子は、本音を遠慮なく表へ出すことが難しかったと分析。玲夜との出会いを経て、少しずつ確実に変化していくことが役の軸になったと説明しています。
ここまでがインタビューで示された演技方針です。その発言を踏まえ、筆者は第1話「運命」における柚子の小さな声を、単なるおとなしい性格の表現ではなく、家庭内で身についた自己防衛だと感じました。
玲夜から好意を向けられた場面でも、柚子は即座に安心しません。言葉を返すまでにわずかな迷いを残すことで、「愛される」という未知の出来事を受け止めきれない心が伝わります。
第5話「ライバルは有能秘書」では、玲夜との距離が縮まっても、柚子の声には喜びと遠慮が同居しています。うれしいのに、うれしいと言ってよいか分からない。この演技、感情のアクセルとブレーキを同時に踏んでくるんですよね。
早見沙織さんの代表作には、『SPY×FAMILY』のヨル・フォージャー役、『鬼滅の刃』の胡蝶しのぶ役などがあります。
胡蝶しのぶも穏やかな声の奥に複雑な感情を抱えていますが、柚子とは響きが異なります。しのぶには研ぎ澄まされた緊張があり、柚子には長く自分を小さくしてきた生活の重さがある。その差が、早見さんの表現の広さを示しています。
鬼龍院玲夜役・梅原裕一郎
鬼龍院玲夜は、あやかしの頂点に立つ鬼龍院家の次期当主です。
圧倒的な霊力と周囲を従わせる威圧感を持つ一方、運命の花嫁である柚子には惜しみなく愛情を注ぎます。
声優名の読み方は、梅原裕一郎(うめはら・ゆういちろう)です。「梅原雄一郎」と検索される場合がありますが、正しい漢字は「雄」ではなく「裕」です。
2026年7月20日公開のアニメイトタイムズ「連載インタビュー第3回」では、玲夜が持つ力の強さ、怖さ、優しさのバランスに加え、「優しさのグラデーション」が演技上のポイントとして紹介されました。
アニメ化発表時にスターツ出版が掲載したキャストコメントでも、梅原さんは玲夜について、圧倒的な力を持ち、一見冷徹でありながら、内面に葛藤と柚子への優しさを抱える人物だという趣旨の捉え方を示しています。
その発言と実際の芝居を分けて考えると、第1話で柚子を花嫁と認める場面が分かりやすいでしょう。
玲夜は声を荒らげて運命を宣言するのではなく、低く安定した発音で迷いのなさを伝えます。筆者には、それが柚子を所有する宣言ではなく、「自分はこの出会いを疑わない」という覚悟として聞こえました。
他者へ向ける声は冷たい石壁のようなのに、柚子へ話しかけるときだけ、わずかに角が取れます。声量を大きく変えず、数度の温度差だけで沼へ落としてくる。玲夜の強さと甘さを両立させる設計です。
梅原裕一郎さんの代表作には、『ゴブリンスレイヤー』のゴブリンスレイヤー役、『銀河英雄伝説 Die Neue These』のジークフリード・キルヒアイス役などがあります。

花梨・瑶太・透子・東吉ら11人の役柄と演技の注目点は?
主人公以外の11人も、柚子と玲夜を取り巻く家族関係、友情、主従関係を声で立体化しています。
ここでは全キャストについて、役柄、演技で注目したい点、代表作または本作内での役割を統一して紹介します。
東雲花梨役・石見舞菜香
東雲花梨は柚子の妹で、妖狐である狐月瑶太の花嫁です。両親と瑶太から特別扱いされる環境で育ち、姉の柚子へ身勝手な言動を重ねます。
石見舞菜香さんの柔らかく可憐な声は、花梨を最初から記号的な悪役にはしません。甘える口調に悪意だけでなく幼さが残るため、「愛されすぎた結果、自分を省みる機会を失った少女」という危うさが浮かびます。
代表作には『【推しの子】』の黒川あかね役、『フルーツバスケット』の本田透役などがあります。繊細な感情の揺れを表現してきた石見さんだからこそ、花梨のかわいらしさと未熟さが同時に成立しています。
狐月瑶太役・逢坂良太
狐月瑶太は妖狐の一族に属し、花梨を花嫁として溺愛するあやかしです。
2026年9月7日公開のアニメイトタイムズ「連載インタビュー第11回」で、逢坂さんは、物語後半へ進むにつれて、瑶太が根本から悪意だけで動いていた人物ではないように見えてきたという趣旨を語っています。
これは逢坂さんによる人物理解です。筆者としては、その理解が瑶太の声にある「優しさと危うさの同居」につながっていると考えます。
瑶太の問題は、花梨への愛情が偽物であることではありません。望みをかなえ続ける行為が、結果として花梨の未熟さを固定してしまう点です。
代表作には『鬼滅の刃 遊郭編』の妓夫太郎役、『ハイキュー!!』の赤葦京治役などがあります。感情をむき出しにする妓夫太郎と、穏やかな瑶太を聞き比べると、同じ「身近な相手への強い思い」でも表現が大きく異なります。
透子役・千本木彩花
透子は柚子の幼なじみであり、家族から傷つけられてきた柚子を気にかける友人です。
柚子が怒りや悲しみをのみ込んでしまう場面では、透子が代わりに感情を言葉へ変えることがあります。千本木彩花さんの反応が速く、芯のある話し方が、柚子の控えめな声と鮮やかな対比を作っています。
第6話「透子とにゃん吉」では、東吉に遠慮なく言葉を返すテンポから、二人の間にすでに信頼が積み重なっていることが分かります。声を出せる友人が隣にいる――その救いが、会話の速さそのものに宿っています。
代表作には『甲鉄城のカバネリ』の無名役、『ダンジョン飯』のマルシル役などがあります。
猫田東吉役・花江夏樹
猫田東吉は猫又のあやかしで、猫田家の次期当主です。幼なじみの透子を花嫁とし、「にゃん吉」の愛称で親しまれています。
関係を正確に整理すると、東吉が透子の花嫁なのではなく、透子が東吉の花嫁です。
2026年8月3日公開のアニメイトタイムズ「連載インタビュー第6回」では、花江さんが演技で大切にした透子への思いと、にゃん吉らしい明るさや柔らかさが取り上げられています。
その方針がよく表れているのが第6話です。玲夜のような近寄りがたい威圧感ではなく、少し力の抜けた愛嬌と軽快な掛け合いで、東吉と透子の日常的な親密さを聞かせます。
代表作は『鬼滅の刃』の竈門炭治郎役、『東京喰種トーキョーグール』の金木研役などです。
荒鬼高道役・坂泰斗
荒鬼高道は、幼い頃から玲夜へ仕えてきた秘書です。玲夜の命令を現実の仕事へ落とし込み、鬼龍院家と会社の実務を支えています。
2026年8月17日公開のアニメイトタイムズ「連載インタビュー第8回」で、坂泰斗さんは、高道を演じる際のバランスやさじ加減について説明しています。
高道は忠実すぎると無機質になり、人間味を前へ出しすぎると玲夜に仕える緊張感が薄れます。筆者が注目したいのは、事務的な返答の中にも、長年仕えてきた者だけが持つ理解と配慮をにじませている点です。
代表作には『俺だけレベルアップな件』の水篠旬役などがあります。主人公として強い感情を背負う芝居とは異なり、本作では一歩引いた立場から場面を安定させています。
鬼山桜河役・島﨑信長
鬼山桜河は、鬼龍院家の筆頭分家である鬼山家の次期当主です。玲夜の会社では副社長を務めています。
2026年8月24日公開のアニメイトタイムズ「連載インタビュー第9回」で、島﨑信長さんは、桜河に「裏腹さ」が多く、その点が人物の面白さにつながっているという趣旨を語っています。
軽やかに振る舞っていても、本心や立場をすべて表へ出す人物ではありません。筆者には、冗談めいた声の奥へ計算を残すことで、玲夜とは異なる次期当主像を作っているように聞こえます。
代表作には『ブルーロック』の凪誠士郎役、『Free!』の七瀬遙役などがあります。
鬼山桜子役・遠藤綾
鬼山桜子は鬼山一族の中でも高い霊力を持ち、その条件から玲夜の婚約者に選ばれていた女性です。
2026年8月31日公開のアニメイトタイムズ「連載インタビュー第10回」では、遠藤綾さんが桜子を演じるなかで、さらに新しい一面を見たいと思ったことが紹介されています。
以上がインタビュー上の事実です。筆者としては、遠藤さんの落ち着きと気品を備えた声により、桜子が単純な「主人公の恋敵」から離れている点を評価したいです。
桜子は自分の家柄や立場を理解しているため、感情だけで突進しません。柚子との違いを敵意だけで描かず、背負っている責任の差として聞かせています。
代表作には『マクロスF』のシェリル・ノーム役、『呪術廻戦』の家入硝子役などがあります。
ソウ役・寺澤百花
ソウは、玲夜が霊力によって生み出した小さな使役獣です。愛らしい外見ながら、柚子の護衛という明確な役割を持っています。
寺澤百花さんの芝居で注目したいのは、マスコットとしてのかわいらしさと、周囲の異変へ反応する使役獣らしさの切り替えです。
ソウは台詞量だけで存在感を作る人物ではありません。短い反応音や声の弾み方によって、柚子の緊張を和らげ、場面の空気を柔らかくする役目を担っています。
本作のソウ役は、寺澤さんの小さなキャラクターに感情を宿す表現へ注目できる出演作です。
アオ役・小橋美憂
アオも、玲夜が柚子を守るために生み出した使役獣です。ソウと一緒に行動しながら、柚子のそばで安全を見守ります。
小橋美憂さんは、ソウ役の寺澤さんと声の個性を分けつつ、二体が並んだときには一組として聞こえるバランスを作っています。
筆者には、ソウとアオが玲夜の愛情を可視化した存在に思えます。玲夜がその場にいないときでも、二体の声が聞こえることで、柚子が守られている事実を視聴者へ伝えるからです。
アオ役は、短い発声やリアクションでキャラクター性を成立させる小橋さんの演技を確認できる役となっています。
鬼龍院千夜役・石田彰
鬼龍院千夜は玲夜の父で、鬼龍院家の現当主です。第10話では、妻の沙良とともに登場しました。
千夜は実力者でありながら、玲夜とは異なる飄々とした雰囲気を持っています。石田彰さんの声には、軽やかに話していても底を簡単には見せない強さがあります。
玲夜が「静かに場を制圧する次期当主」なら、千夜は力を誇示しなくても当主だと分かる人物です。親子を似た低音だけで結ばず、異なる方向から格を成立させている点が面白いところでしょう。
代表作には『鬼滅の刃』の猗窩座役、『新世紀エヴァンゲリオン』の渚カヲル役などがあります。
鬼龍院沙良役・福圓美里
鬼龍院沙良は玲夜の母で、千夜とともに第10話へ登場します。
福圓美里さんの明るさと柔らかさを含む声が加わることで、鬼龍院家は威厳だけに包まれた家庭ではないと分かります。玲夜の冷静な声、千夜の底を見せない軽やかさ、沙良の親しみやすさが並び、同じ家族でも性格が異なることを短い会話から伝えています。
筆者としては、沙良の存在が「玲夜の優しさは柚子と出会って突然生まれたものではない」と想像させる点にも注目しています。ただし、これは第10話までの描写を踏まえた解釈であり、今後の家族描写によって印象が変わる可能性があります。
代表作には『スマイルプリキュア!』の星空みゆき/キュアハッピー役、『ストライクウィッチーズ』の宮藤芳佳役などがあります。
『鬼の花嫁』と『鬼滅の刃』の共通声優6人は誰?
2026年9月12日時点で、『鬼の花嫁』とアニメ『鬼滅の刃』シリーズの両方に出演していると確認できる声優は6人です。
判定基準は、両アニメで公式キャストとして確認できる人物であること。ゲームや舞台だけの出演は、この人数に含めていません。
『鬼の花嫁』の役 声優 『鬼滅の刃』の主な役
東雲柚子 早見沙織 胡蝶しのぶ
鬼龍院玲夜 梅原裕一郎 積怒
東雲花梨 石見舞菜香 チュン太郎
狐月瑶太 逢坂良太 妓夫太郎
猫田東吉 花江夏樹 竈門炭治郎
鬼龍院千夜 石田彰 猗窩座
作品名に「鬼」が含まれるという偶然だけでなく、同じ声優がまったく違う感情表現を聞かせる点が見どころです。
『鬼滅の刃』では戦闘、怒り、喪失、執着を演じた声優たちが、『鬼の花嫁』では恋愛、家族、友情、主従関係の中にある細かな感情を担当しています。
たとえば花江夏樹さんは、竈門炭治郎として思いを正面から届ける力強い芝居を見せます。一方、猫田東吉では肩の力を抜いた愛嬌と軽快な会話で、透子との安定した関係を表現しています。
梅原裕一郎さんが『鬼滅の刃』で演じる積怒は、怒りを前面へ押し出す人物です。玲夜では感情を抑えた低音を中心に、柚子へ向けるわずかな柔らかさを変化として使っています。
石田彰さんの猗窩座には張り詰めた危険性がありますが、千夜には余裕を崩さない実力者の気配があります。同じ強者でも、声に込める圧力の向きが異なるのです。
『鬼滅の刃』をきっかけに声優へ興味を持った人にとって、本作は「知っている声の別の表情」を探せる作品です。叫びや戦闘だけでなく、ためらい、安心、嫉妬、信頼をどう聞かせるかへ耳を向けると、キャスト表が一気に面白くなります。

なぜ『鬼の花嫁』のキャスティングは物語と相性がいい?
『鬼の花嫁』のキャスティングの核は、愛情の有無ではなく、愛し方の違いを声で聞かせていることだと筆者は考えます。
本作の世界では、人間とあやかしが共生し、力を持つあやかしは本能によって唯一無二の「花嫁」を見つけます。花嫁に選ばれることは名誉とされていますが、物語は「選ばれれば自動的に幸福になる」という単純な結論には進みません。
玲夜は柚子を守りながら、柚子自身が選ぶまで待とうとします。一方、瑶太は花梨を深く愛していても、その望みを受け入れ続けることで彼女の未熟さまで肯定します。
ここからは筆者の解釈ですが、梅原裕一郎さんの玲夜には「待てる愛情」があり、逢坂良太さんの瑶太には「失いたくない焦り」が混ざっています。
二人とも花嫁を大切にするあやかしです。それでも声を聞けば、相手の意思を受け止める愛と、相手を自分の庇護へ囲い込む愛の違いが伝わります。
早見沙織さんと石見舞菜香さんの対比も、姉妹の育った環境を説明する装置になっています。
柚子の声は、自分の存在を小さくするように控えめです。花梨の声には、自分が愛されることを疑わずに育った明るさがあります。
同じ家庭で育ちながら、まったく異なる扱いを受けてきた姉妹。その差を説明台詞だけに頼らず、会話の音量、速度、語尾の強さで伝えているのです。
映像制作を経験した筆者の視点では、これは「有名声優を集めた豪華キャスト」というだけでなく、声質を使った人物配置だと感じます。
画面から目を離した瞬間でも、誰がその場の空気を支配し、誰が言葉を引っ込め、誰が沈黙を破ったのかが聞き取れます。声が人物関係の照明になっているんですよね。
第1話と第6話を比較すると、その設計が特に明確です。
第1話の柚子と玲夜には、互いの常識が噛み合っていない緊張があります。玲夜は運命を確信していますが、柚子は好意を受け取る方法をまだ知りません。
第6話の透子と東吉には、言い合えるほど積み重なった信頼があります。千本木彩花さんと花江夏樹さんの速い掛け合いは、相手の反応を恐れなくてよい関係を音で示します。
筆者としては、透子と東吉が単なる明るい脇役ではなく、柚子と玲夜が将来たどり着ける関係の輪郭になっていると考えます。
一方は、愛情を受け取る練習を始めた二人。もう一方は、愛情を日常会話に変えられる二人です。
さらに第10話で千夜と沙良が加わると、玲夜の静かな性格を家族との違いから見られるようになります。玲夜一人の低音だけを聞くより、石田彰さんと福圓美里さんの声が隣に置かれたときのほうが、彼の寡黙さは鮮明です。
声優一覧が、そのまま愛情表現と家族関係の相関図になっている。ここが『鬼の花嫁』のキャスティングにおける、最も面白い設計ではないでしょうか。
声優への反応と今後の演技の見どころは?
キャストをきっかけに視聴を始めた人や、梅原裕一郎さんによる玲夜の優しさと冷たさの使い分けを評価する反応が見られます。
本記事では、アニメイトタイムズの読者感想・コメント欄に掲載された内容のうち、2026年9月12日時点で個別に内容を確認できた3件を参照しました。SNS全体の総意や統計的な評価を示すものではありません。
確認した3件には、声優をきっかけに見始めたという10代読者、柚子と玲夜を含むキャスティングを評価する40代女性、梅原さんの優しさと冷たさの演じ分けを支持する50代女性の感想が含まれています。
また、島﨑信長さんが演じる桜河について、原作から想像していた人物像より軽やかな印象だったという反応も掲載されています。
これは原作読者のイメージを完全になぞるのではなく、声によって新しい人物解釈を提示できている例でしょう。ただし、確認数は限られているため、作品全体の評価として一般化はできません。
個人的に今後もっとも注目したいのは、柚子の声から「相手の許可を求める響き」がどこまで減っていくかです。
柚子の成長は、突然強い口調へ変わることではありません。玲夜に守られるだけの存在から、自分で選び、自分から言葉を始められる人物になることです。
早見沙織さんはインタビューで、最終話までの収録を振り返り、周囲から変化を指摘されるほど明るい柚子が見られたという趣旨を述べています。
この発言を踏まえると、声の高さや明るさだけでなく、返答までの時間、自分から会話を始める回数、語尾を最後まで言い切れるかにも変化が表れると考えられます。
瑶太と花梨の見え方がどう変化するかも重要です。
二人を単純な悪役として処理せず、愛情がなぜ他者を傷つける形になったのかまで描ければ、玲夜と柚子の関係が持つ意味もさらに深くなります。
玲夜の愛は柚子を守りますが、守ることが柚子の選択肢を奪えば、瑶太と同じ問題へ近づく可能性があります。だからこそ玲夜が「守る」と「任せる」の間をどう選び、梅原さんがその迷いをどう声へ落とし込むのかが今後の焦点です。
『鬼滅の刃』で知った声優を入口に視聴するのも、もちろんアリです。しかし見続けるうちに、同じ声が戦闘の叫びではなく、ためらい、嫉妬、安堵、信頼をどう表現するのかへ耳が向いていくでしょう。
『鬼の花嫁』のキャストは、有名声優を集めたことだけが魅力ではありません。愛されなかった少女が、愛情を受け取り、自分の言葉を取り戻すまでを声の変化で追体験させる布陣なのです。
まとめ|『鬼の花嫁』の声優は全13人、共通キャストは6人
『鬼の花嫁』では、東雲柚子を早見沙織さん、鬼龍院玲夜を梅原裕一郎さんが演じています。
2026年9月12日時点で確認できるキャストは、公式サイト掲載の11人と玲夜の両親役2人を合わせた全13人です。
『鬼滅の刃』との共通声優は、早見沙織さん、梅原裕一郎さん、石見舞菜香さん、逢坂良太さん、花江夏樹さん、石田彰さんの6人です。
花江夏樹さんが演じる猫田東吉は猫又のあやかしで、幼なじみの透子を花嫁としています。東吉が透子の花嫁なのではなく、透子が東吉の花嫁という関係です。
本作のキャスティングの真価は、柚子と玲夜、花梨と瑶太、透子と東吉の愛し方を、異なる声の温度と会話のテンポで描き分けている点にあります。
声優の息遣い、返事までの間、語尾、沈黙にも注目すると、「花嫁に選ばれる物語」の奥にある、相手を尊重する愛と相手を縛ってしまう愛の違いまで聞こえてきます。
よくある質問
『鬼の花嫁』で東雲柚子を演じる声優は誰?
東雲柚子の声優は早見沙織さんです。代表作には『鬼滅の刃』の胡蝶しのぶ役、『SPY×FAMILY』のヨル・フォージャー役などがあります。
鬼龍院玲夜の声優「うめはら雄一郎」の正しい名前は?
正しくは梅原裕一郎(うめはら・ゆういちろう)さんです。「雄一郎」ではなく「裕一郎」と表記します。
『鬼の花嫁』で花江夏樹が演じるキャラクターは?
花江夏樹さんが演じるのは、猫又のあやかし・猫田東吉です。東吉があやかし側で、幼なじみの透子が東吉の花嫁です。
『鬼の花嫁』と『鬼滅の刃』の共通声優は何人?
2026年9月12日時点では6人です。早見沙織さん、梅原裕一郎さん、石見舞菜香さん、逢坂良太さん、花江夏樹さん、石田彰さんが両アニメに出演しています。
参照した公式・関連情報
キャスト、放送日、制作スタッフ、発行部数などの更新される可能性がある情報は、以下を2026年9月12日に確認しました。
- TVアニメ『鬼の花嫁』公式サイト「CAST」「STAFF」「INTRO」
- スターツ出版文庫 by ノベマ!「TVアニメ『鬼の花嫁』放送・配信情報」
- スターツ出版株式会社「『鬼の花嫁』コミックス第10巻・公式ファンブック発売」2026年7月7日発表
- アニメイトタイムズ『鬼の花嫁』作品情報、2026年9月10日更新
- アニメイトタイムズ『鬼の花嫁』連載インタビュー第2回~第11回
- アニメイトタイムズ『鬼の花嫁』読者感想・コメント欄
追加キャスト、放送情報、シリーズ累計発行部数は今後更新される可能性があります。最新情報はアニメ公式サイトおよび出版社の発表で確認してください。
執筆:神原 誠一(アニメ評論家/ブロガー/エモ設計師)



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